地震のあと猫が隠れて出てこないとき

地震のあと、猫が家具の裏や押し入れの奥に入って出てこないことがあります。これは驚いたときの行動で、無理に引き出そうとするほど奥へ入ります。このページでは、隠れ場所を平常時に書き出しておく手順と、揺れが収まってから猫を確認するまでの順番を決めます。

このページで決まること

  • 家の中の隠れ場所を平常時に書き出す手順
  • 危ない隠れ場所と、先に用意しておく隠れ場所の区別
  • 揺れが収まってから猫を探すまでの順番
  • 見つけたあとに手を出す順番と、やらないこと
  • 見つからないまま時間が過ぎるときに決めておく4つ

猫が隠れるのは驚いたときの行動

大きな音や揺れに驚いた猫は、狭くて暗い場所に入ります。家具の裏、押し入れの奥、洗濯機の隙間、ソファの下。この行動そのものは異常ではなく、身を守るための動きです。困るのは、飼い主の準備が終わって家を出られる状態になっても、猫が出てこないという一点だけです。

ここで手を出す順番を間違えると、時間がさらに延びます。奥にいる猫を引っぱると、猫はさらに奥へ入ります。そして次に同じ場所へ隠れたときは、前より出てこなくなります。当日にできることは限られるので、平常時にやっておくことのほうが効きます。

平常時にやることは2つです。隠れ場所を書き出すことと、そのうち危ない場所を減らすこと。どちらも道具を買わずにできて、合わせて1時間もかかりません。

家の中の隠れ場所を、先に書き出す

家を1周して、猫の体が入る隙間を全部書き出します。基準は、頭が入るかどうかです。猫は頭が通る幅なら体も通ることがあるため、人が「ここには入らないだろう」と思う隙間ほど候補になります。

見落としやすいのは、背の高い家具と壁の間、冷蔵庫と洗濯機の裏、ベッド下の収納の奥、天袋、椅子の座面の下、引き出しを開けたときにできる裏側の空間です。玄関の靴箱の中や、脱衣所のかごの下に入る猫もいます。

書き出したら紙にして、キャリーや猫用品の近くに貼ります。当日に家にいるのが誰になるか分からないため、頭の中に置かないでください。書き出す作業そのものは10分程度で終わります。

この一覧は季節で変わります。夏は風の通る場所、冬は暖房の近くというように、猫が普段いる場所が動くと隠れ先も動きます。見直しは季節の変わり目に1回で足ります。

危ない隠れ場所を先に減らす

書き出した場所を3つに仕分けます。倒れる物の下や裏、ガラスが飛ぶ位置、扉が閉まると出られなくなる部屋。この3つは、隠れられても安全ではありません。

減らし方は単純です。背の高い家具を固定する、窓際に隠れられる隙間を作らない、猫が入る部屋の扉は開けたままにするか、猫が押して開けられる形にしておく。家具の固定そのものは、留守番中の部屋づくりのページで扱っています。

減らすだけでなく、安全な隠れ場所を先に用意しておく方法もあります。低い位置に置いた箱、布をかけた台の下、そしてキャリーそのものです。キャリーを普段から出しておいて中で寝る状態になっていれば、驚いたときに自分からそこへ入ることがあります。そうなると、探す時間と入れる時間が同時に短くなります。

用意した隠れ場所を猫が使うかどうかは、猫によって差があります。使わなかった場合でも、危ない場所を減らした分は残ります。用意した側が使われることを前提にしないでください。

揺れが収まったら、猫を探す前にすること

順番は、人の安全、出口を閉じる、猫を探す、です。猫を先に探すと、探している間に開いた玄関や外れた網戸から出てしまうことがあります。出口を閉じる作業は数十秒で終わるので、先に済ませます。

閉じるのは玄関、窓、網戸、ベランダに出る戸です。網戸は揺れで外れたりレールから浮いたりすることがあるため、閉まっているかどうかだけでなく、手で押して動かないかも見ます。建具がゆがんで閉まらない場所が見つかったら、その部屋には猫を入れない形にします。

このとき、キャリーを先に出さないでください。キャリーを見て奥へ入る猫がいます。出口を閉じ終わってから猫の居場所を確認し、確認できてからキャリーを近くへ運びます。

探す順番と、見つけたあとにやらないこと

探すのは、書き出した一覧の上からです。思いついた場所から探すと、同じ場所を2回見て、まだ見ていない場所が残ります。一覧に印を付けながら進めると、家族が交代しても続きから探せます。

明かりは時間帯を問わず使います。昼でも家具の裏は見えません。名前を呼び続けるより、普段使っているフードの袋を鳴らす、いつもの食器を鳴らすほうが反応することがあります。大きな声で呼ぶと動かなくなる猫もいるため、短く呼んで様子を見る形と併用します。

見つけても、その場ですぐ引き出さないでください。手を伸ばして掴むと、猫は逃げるか、身をよじって手や腕に爪が当たります。狭い場所から出す場合は、反対側を塞いで出口を1つにし、猫がそちらへ移動するのを待つほうが早いことがあります。

出てきたあとは、キャリーへ入れるまでが続きになります。抱えたまま部屋を移動する距離が長いほど、途中で腕から抜ける機会が増えます。洗濯ネットを使って移す場合の手順は、別のページに分けています。

見つからないまま時間が過ぎるとき

避難しなければならない状況で猫が見つからない場合、どうするかを一律に決めることはできません。建物の状態、周囲の状況、自治体からの指示によって、取れる行動が変わるためです。

決めておけるのは段取りだけです。誰がどこまで探すか、どれだけ探したら次の行動に移るか、家に残す場合に何を置いていくか、戻れるようになったときに誰が戻るか。この4つを平常時に家族で話しておくと、当日に迷う時間が減ります。

家に残すことになった場合に置いていくのは、水、フード、使い慣れたトイレ、そして猫が隠れられる場所です。窓と玄関は閉じたまま出ます。外に出られる状態にして置いていくと、戻ったときに家の中にいない可能性が上がります。

近隣や管理会社に連絡先と戻る目安を伝えられる場合は伝えます。何を伝えて何を伝えないかの線引きは、防災カードのページで扱っています。留守中に人が家へ入る話は、留守番中に災害が起きた場合のページに分けています。

隠れ場所の一覧と、防災用品の置き場所をつなげる

隠れ場所の一覧ができると、キャリーとトイレ用品をどこに置くかも決まります。猫がよく隠れる場所から遠い部屋にキャリーを置くと、その距離がそのまま出発の遅れになります。取りに行って戻る往復は、慌てている場面では想像より長くかかります。

置き場所を3か所で比べる手順は、キャリーの置き場所のページにまとめています。隠れ場所の一覧を先に作ってから読むと、家の中のどこが候補になるかが絞れた状態で比べられます。

よくある質問

隠れて出てこない猫を引っぱり出してもいいですか

力ずくで引き出すと、その場は出せても、次に同じ場所へ隠れたときに前より出てこなくなります。狭い場所であれば、反対側を塞いで出口を1つにし、猫が自分で移動するのを待つほうが早いことがあります。急いでいる場面ほど、押し込む手を止めて出口の設計に切り替えてください。それでも動かない場合や、いつもと様子が違う場合は、無理に続けず動物病院に相談してください。

隠れ場所の一覧はどのくらいの頻度で見直しますか

季節の変わり目に1回で足ります。猫が普段いる場所は夏と冬で変わり、居場所が動くと隠れ先も動くためです。家具を入れ替えたときや、部屋の使い方を変えたときは、その時点で追記してください。月1回の点検を続けている場合は、その日に一緒に見ると忘れません。

隠れられる場所を全部塞いでしまえばいいのではないですか

隠れる場所をなくすと、猫は別の場所を探して、より入り組んだ隙間に入ることがあります。塞ぐ対象は、倒れる物の裏やガラスが飛ぶ位置、扉が閉まると出られない部屋といった危ない場所だけにしてください。そのうえで、安全な隠れ場所を低い位置に用意しておくと、危ない側へ行く理由が減ります。

避難しなければならないのに猫が見つかりません

取れる行動は建物の状態と自治体の指示で変わるため、ここで一つに決めることはできません。平常時に決めておけるのは、誰がどこまで探すか、どれだけ探したら次に移るか、家に残す場合に何を置くか、誰がいつ戻るかの4つです。家に残す場合は、窓と玄関を閉じたまま、水とフードと使い慣れたトイレ、そして隠れられる場所を残して出てください。

確認に使う一次情報

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最終更新: 2026-08-26 / 編集: ペット防災室編集部(株式会社Mycat)

このページは家庭内で情報を整理するための資料です。診断・治療の判断はできません。体調の変化があるときは動物病院に相談してください。避難の可否や方法は、お住まいの自治体および避難所の指示に従ってください。