断水したときペットの水をどう確保するか
断水で先に決めるのは、飲み水と生活用水を分けることです。飲み水は必要量を計算して確保し、トイレの処理や体を拭くための水は別の容器にまとめます。犬猫の1日の飲水量は体重1kgあたり50mL前後という目安が示されることが多く、体重7kgなら1日およそ350mL、7日分で2.5L弱という計算になります。ただし暑い時期、投薬中、持病がある場合は変わるため、目安の数字はかかりつけの動物病院に確認してください。運搬まで含めて考えると、集合住宅の上の階では階段を何往復するかが現実的な制約になります。
このページで整理できること
- 飲み水と生活用水を最初から別の容器で分ける
- 必要量の目安を動物病院に確認して数字を確定させる
- 給水所から運ぶ重量と往復数を先に計算する
- 上の階に住んでいる場合の階段の負担を数字にする
- 猫のトイレと犬の排泄処理で必要な水を別枠で見積もる
- 1人で運ぶ前提のときに頼める相手を先に決めておく
ペットの飲み水は1日どれくらい必要ですか
犬猫の1日の飲水量として、体重1kgあたり50mL前後という目安が示されることが多くあります。体重7kgならおよそ350mL、3kgの猫ならおよそ150mLという計算です。7日分にすると、7kgの犬で2.5L弱、3kgの猫で1L強になります。
ただし、この数字は目安です。暑い時期は増え、食事がドライかウェットかでも変わり、投薬中や持病がある場合は別の考え方になることがあります。うちの子の場合は何mLで見ておけばよいかを、健康診断や通院の際に確認して、その数字を使ってください。
多頭の場合は単純に合計します。犬2頭と猫1頭の家庭なら、それぞれの体重から出した量を足したものが1日分です。頭数が増えるほど、置き場所と運搬の問題が先に来ます。
| 体重 | 1日 | 3日分 | 5日分 | 7日分 |
|---|---|---|---|---|
| 3kg | 0.15 | 0.45 | 0.75 | 1.05 |
| 5kg | 0.25 | 0.75 | 1.25 | 1.75 |
| 7kg | 0.35 | 1.05 | 1.75 | 2.45 |
| 10kg | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 |
| 20kg | 1.0 | 3.0 | 5.0 | 7.0 |
上の表は、体重1kgあたり50mLという目安をそのまま掛け算しただけの数字です。実際に必要な量は季節、食事の形態、投薬や持病の有無で変わるため、うちの子の数字はかかりつけの動物病院で確認してください。
頭数や動物種が混ざっていて手計算が面倒なときは、ペット防災備蓄量 計算機に体重と頭数と日数を入れると、飲用水のリットル数と2Lボトルの本数まで出ます。登録は不要です。
生活用水はどれくらい要りますか
生活用水は、猫のトイレの処理、犬の排泄後の処理、食器を洗う、体や足を拭くといった用途です。使う量は家庭ごとに差が大きいので、平常時に1日どれくらい使っているかを1週間だけ意識して測ると、現実的な数字が出ます。
浴槽に水をためておく方法は、生活用水の確保として有効ですが、小さな子どもや動物が入り込めない状態にできる家庭に限ります。ふたと施錠を確認してください。
断水が続くと、猫砂が使えなくなる場面が来ます。ペットシーツ、新聞紙、紙砂などの代替をどれか1つ決め、平常時に一度試しておくと、切り替えでつまずきません。急に環境を変えるとトイレを我慢してしまうことがあります。
給水所から運ぶ現実はどうなりますか
水は1Lで約1kgです。10Lの給水袋は約10kgになります。人の飲料水と生活用水にペットの分を足すと、1回の給水では足りず、複数回の往復が必要になる家庭がほとんどです。
上の階に住んでいる場合、エレベーターが止まっていれば階段で運びます。ここで、階数、往復数、1回に運べる重量を掛け合わせた現実的な数字が出ます。10階に住んでいて1回に10kgしか運べないなら、必要量を運び終えるまでに何往復かかるかを計算してみてください。想像していた数字とかなり違うはずです。
この計算をすると、対策は2つに絞られます。平常時に置いておく量を増やすことと、運搬を分担してくれる人を決めておくことです。備蓄と人の手当ては、断水の場面で直結します。
一人暮らしだと何が変わりますか
運搬を代わってくれる人がいないため、往復数がそのまま自分の負担になります。台車、キャリーカート、背負える容器といった道具で1回に運べる量を増やすほうが、体力に頼るより確実です。
自分が帰れない状況では、そもそも水を運ぶ人がいません。合鍵を預けている相手に、水を足してもらうところまで頼めるかを事前に相談しておく必要があります。頼む内容を具体的に書いた依頼文があると、相手も引き受けやすくなります。
自動給水器を使っている場合は、停電時にどう動くかを確認しておきます。止まったときに皿から飲めるかどうかも、平常時に試しておいてください。
保管はどうしておきますか
水は重いので、1か所にまとめると取り出しにくくなります。持ち出す分を玄関近くに、残りを収納の下段に置くという分け方が扱いやすい形です。ペットボトルは種類を統一しておくと、残量の把握が簡単になります。
保存期間は製品によって違います。表示を確認し、期限が近いものから普段の生活で使って買い足す形にすると、常に新しい状態を保てます。年に数回の見直し日に、水も同じタイミングで確認してください。
無料で確認できることは何ですか
断水時の給水所の場所や、応急給水の仕組みは、自治体の水道局や防災担当が無料で公開しています。給水袋の配布がある地域もあります。まず自分の地域の応急給水がどうなっているかを確認してください。ペット用の水の目安についても、自治体や保険会社の防災手帳に記載があることがあります。
ペットの備えの全体像は、人とペットの災害対策ガイドライン(環境省)とペットの災害対策(環境省)が一次資料です。備える物の一覧はここで無料で確認できます。
犬に飲ませるときは、器と回数を先に決める
量を用意できても、飲ませられなければ足りません。移動の途中や避難先では、いつもの器がない、周りに人がいる、床が硬いという条件が重なります。この条件で口をつけない犬がいるので、どの器で、何回に分けて出すかを平常時に決めておきます。
持ち出す器は2つにします。1つは折りたためる物で、移動中の休憩に使います。もう1つは、家でいつも使っている物と同じ形の器です。形が変わっただけで飲まない犬がいるため、使い慣れた形を1つ入れておくと、避難先で選べます。どちらも実際に飲ませて、口をつけるかを先に確かめます。
回数は、一度に多く出すより、少量を分けて出すほうが扱いやすくなります。移動中は休憩のたびに出して、飲まなければ下げます。出したまま置くと、こぼれて荷物が濡れ、水そのものも減ります。ふたが閉まる携帯用の容器にしておくと、出し入れの回数を増やしても減りにくくなります。
体格が大きいほど、1回に出す量も、持ち歩く容器の大きさも変わります。1日の目安は体重1kgあたり50mL前後で計算できますが、これを一度に出すわけではありません。1日分を何回に分けるかを、平常時の飲み方から決めておくと、当日に量を測らずに済みます。
飲む量が普段と違う、飲もうとしない状態が続くという場合、理由を家庭で決めることはできません。いつから、どれくらい飲んでいないかを書き留めて、かかりつけの動物病院に相談してください。水の種類を変えるかどうかも、同じく相談する項目です。
よくある質問
ペットに水道水以外を与えても大丈夫ですか
水の種類による向き不向きは体質や持病に関わることがあるため、動物病院に確認してください。備蓄する水をどれにするかを決める段階で相談しておくと、当日に迷いません。
何日分の水を備えればいいですか
フードと同じく7日分を目標にする考え方が一般的です。ただし置き場所と運搬の制約があるため、置ける量と、給水で補える量を分けて計画してください。判断シートには両方を書き分ける欄があります。
上の階に住んでいますが、どう備えればいいですか
運搬の往復数が現実的な制約になるため、置いておく量を多めにするほうが有利です。階数と1回に運べる重量から往復数を出す表をルールブックに用意しています。実際に1往復してみることをおすすめします。
犬と猫で1日に必要な水の量は違いますか
目安の考え方は同じで、体格差がそのまま量の差になります。体重1kgあたり50mL前後で計算すると、7kgの犬はおよそ350mL、3kgの猫はおよそ150mLです。ただしドライとウェットのどちらを食べているか、投薬中かどうかでも変わるため、うちの子の数字はかかりつけの動物病院で確認してください。
避難先で犬が水を飲まないときはどうしますか
まず器を変えてみてください。家でいつも使っている物と同じ形の器を1つ持ち出しに入れておくと、避難先で選べます。出す量は一度に多くせず、休憩のたびに少量を出して、飲まなければ下げる形にすると、こぼれて減ることも防げます。飲もうとしない状態が続く場合は、いつから、どれくらい飲んでいないかを書き留めて、かかりつけの動物病院に相談してください。
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最終更新: 2026-08-23 / 編集: ペット防災室編集部(株式会社Mycat)
このページは家庭内で情報を整理するための資料です。診断・治療の判断はできません。体調の変化があるときは動物病院に相談してください。