ペット防災カードの書き方|読む人の順に項目を並べる

このページは、他人に渡す紙の書式だけを扱います。避難所の受付、預かってくれる人、初めて行く動物病院。読む相手によって必要な情報が違うため、1枚に全部を詰めず、書く順番と分け方を先に決めます。

このページで決まること

  • カードを読む3種類の相手と、それぞれに渡す1枚
  • 最初の3行に置く項目と、その後に続く順番
  • 曖昧な言葉を数字に置き換える書き方
  • 他人の手に渡る前提で書かないと決める情報
  • 紙の作り方、置き場所、更新欄の設計

カードを読む人は3種類いる

防災カードを読むのは、飼い主ではありません。想定されるのは3種類です。避難所や受付で状況を聞く人、しばらく世話を預かる人、初めて診てもらう動物病院。この3者は、必要としている情報が違います。同じ1枚を渡すと、探している行が見つかりません。

そこで、1枚に全部を詰めるのをやめます。受付に見せる短いもの、世話を頼むときに渡すもの、動物病院に持って行くものの3枚に分けます。3枚に共通して入るのは、名前と種類と飼い主の連絡先だけで、それより下は相手ごとに入れ替えます。

分けると書く量は増えますが、渡す場面では探す時間がなくなります。実際に渡すのは3枚のうち1枚なので、受け取る側が読む量も減ります。書くのは平常時、読まれるのは慌てている場面だという前提で作ります。読む速さを基準に、書く量を決めます。

最初の3行に何を置くかを決める

どのカードでも、最初の3行は同じにします。1行目に名前、2行目に種類と毛色と体格、3行目に飼い主の連絡先です。この3行だけで、見つけた人も預かる人も、まず折り返しの連絡ができます。ここが下のほうにあると、探している間に読むのをやめられます。

4行目以降は、そのカードの相手に合わせて変えます。世話を預かる人向けなら食事とトイレ、動物病院向けなら診断名と薬、受付向けなら頭数とケージの有無です。優先度の高い順に上から並べ、下に行くほど補足になる構成にします。

書き終えたら、上から3行だけを見て、必要な連絡が取れるかを確かめます。取れなければ、3行の中身を入れ替えます。4行目以降を読まないと連絡先にたどり着かない構成になっていたら、順番を直すサインです。順番は、書き終えた後にもう一度見直します。

渡す相手ごとのカードの形と入れる項目(最初の3行は共通:名前/種類・毛色・体格/飼い主の連絡先)
渡す相手 紙の形・サイズ 4行目以降に入れる項目
受付・見つけた人 名刺程度(キャリーに貼る) 頭数、ケージの有無
世話を預かる人 A4を折ったもの 食事、トイレ
動物病院 A4 診断名、薬

食事とトイレは数字で書く

書き方でいちばん差が出るのが、量の表現です。少なめ、いつもどおり、適量という書き方は、渡した相手には再現できません。1回何グラム、1日何回、何時ごろという形で、数字と時刻に置き換えます。器を分けている場合は、その分け方も書きます。

水も同じです。どこに置いているか、器の種類、1日にどれくらい飲んでいるかを書きます。普段と違う量になったときに、預かった人が気づける基準になります。体調に関する判断は書かず、変化があったら動物病院に相談してほしいと書いておきます。

トイレは、砂やシーツの種類、置いている場所、掃除の頻度を書きます。使い慣れた物と違うと使わないことがあるため、種類は商品名まで書き写します。散歩のときに外で排泄する習慣がある場合は、その回数と時間帯も書いておきます。

薬と療法食は名前をそのまま写す

薬や療法食の名前は、記憶で書くと表記がずれます。パッケージや処方の控えに書かれている表記を、そのまま書き写してください。似た名前の別の物があるため、略さずに写します。1回量と1日の回数、与える時刻も同じ欄に並べます。

ここに書かないのは、判断です。切らしたときにどうするか、量を変えてよいかといった内容は、飼い主が紙に書くものではありません。代わりに、かかりつけの動物病院の名称と電話番号、診察券の番号を書き、そこに相談してほしいと明記します。

薬の残数の管理や、かかりつけが使えないときの動き方は、持病のあるペットの薬を災害で切らさないためにで扱っています。カードは、そこで決めた内容を他人へ渡すための紙です。決めていない状態でカードだけ書いても、渡した相手が動けません。

注意することは、やってほしくない順に書く

性格の説明は、長く書くほど読まれません。書くのは、預かる人が困る場面だけです。扉を開けたときに走り出す、抱き上げられるのが苦手、大きな音で固まる、他の動物と同じ空間に置けない。この形で、短い文にして並べます。

順番は、起きたときに取り返しがつきにくいものからです。脱走につながる場面をいちばん上に置きます。次に、けがにつながる場面。人の好き嫌いや遊びの好みは、いちばん下で構いません。行数が多くなったら、上から5つに絞ります。

苦手な音や場面を書くときは、そのときにどうしてほしいかも1文だけ添えます。抱き上げずに待ってほしい、といった具体的な行動にすると、読んだ人がそのまま動けます。理由の説明は不要です。書くほど読まれなくなります。

書かない情報を先に決める

カードは、他人の手に渡ることを前提に作ります。渡した相手が、そのまま置き忘れる可能性もあります。そのため、書かないものを先に決めます。自宅の詳しい番地、鍵の場所、家に人がいない時間帯、家族構成が分かる記述です。

住所が必要になるのは、家まで送り届けてもらう場面に限られます。多くの場面では、電話番号があれば足ります。どうしても必要な相手には、その場で口頭で伝えるほうが安全です。書くかどうかは、家族の間で先に線引きを決めておきます。

同じ理由で、カードに写真を入れる場合も、背景に自宅の外観や表札が写っていないものを選びます。写真は識別のために入れるので、背景は要りません。撮り直すときに、この点だけ意識すれば足ります。室内で撮る場合は、写り込む物にも同じ目を向けます。

紙の作り方と、置く場所を決める

紙は、渡す場面に合わせてサイズを分けます。キャリーに貼るものは名刺程度、預ける相手に渡すものはA4を折ったもの、動物病院へ持って行くものもA4です。小さい紙に細かく書くと、渡した相手が読めません。文字の大きさから決めて、入る量に合わせて項目を削ります。

書くペンは、にじまないものを選びます。水性のペンは、雨や結露で読めなくなります。書いた後に透明な袋へ入れるか、上からラミネートすると保ちますが、その場合は更新できる欄を鉛筆書きで別に残しておきます。全部を固めてしまうと、書き換えられません。

置き場所は3か所です。キャリーの外側、防災バッグの中、玄関の見える場所。家の中の1か所だけに置くと、持ち出す前に取りに戻る必要が出ます。3枚とも同じ内容にしておけば、どれを持ち出しても困りません。内容がずれた1枚が残っていると、どれが新しいのか分からなくなります。

書いた後に、家族以外の人に読んでもらう

書いた本人には、書いてある内容が分かります。分からないのは受け取る側です。書き終えたら、日ごろ世話をしていない人に読んでもらい、意味が分からなかった行に印を付けてもらいます。印が付いた行は、書き直します。

つまずきやすいのは、家庭の中だけで通じる呼び方です。器や部屋やおもちゃの呼び名、動物どうしの呼び分けが該当します。読んだ人が場所や物を特定できる言い方へ置き換えます。名前が似ている場合は、見分け方を1行足します。

記入日と更新日の欄を必ず作ります。日付のないカードは、いつの情報なのかが判断できません。見直しは、備え全体の点検と同じ日に寄せます。連絡先と薬と食事は、変わったその日に直すほうが確実です。年に1回の点検では、その3つを最初に見ます。

よくある質問

防災カードは何枚作ればいいですか

渡す相手ごとに分けると、3枚が目安になります。受付や見つけた人に見せる短いもの、世話を預かってくれる人に渡すもの、動物病院へ持って行くものです。3枚に共通で入るのは、名前と種類と飼い主の連絡先だけで、それ以降は相手に合わせて変えます。頭数が多い場合は、個体ごとに1組ずつ用意し、名前を大きく書いて取り違えを防ぎます。

スマートフォンのメモではだめですか

データだけにしないほうが確実です。停電や通信の不調が重なると、画面の中の情報は取り出せません。また、預ける相手に渡すときは、紙のほうがそのまま手元に置いてもらえます。データと紙の両方を持ち、内容を同じにしておくのが現実的です。更新したときは、両方を同じ日に直してください。片方だけ新しい状態が、いちばん混乱します。

写真はカードに入れるべきですか

入れておくと、口で説明する手間が減ります。選ぶのは、顔の正面、全身、模様や欠けた部分が分かる箇所です。全身が入っていると、遠くで見かけた人が体格の違いで判断できます。背景に自宅の外観や表札が写っていないものを選んでください。印刷したものをカードに貼るか、同じ袋に入れておけば、通信が使えない状況でも見せられます。

手書きと印刷、どちらがいいですか

読めればどちらでも構いません。手書きは書き換えが早く、印刷は文字が揃うので読み間違いが減ります。薬や療法食の名前のように、表記が正確でないと困る項目は、印刷にするか、パッケージの表記を見ながら書き写してください。どちらの場合も、記入日と更新日の欄を残し、古い情報のまま持ち歩かない形にします。上から3行が読みやすいかどうかを、最後に見てください。

確認に使う一次情報

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最終更新: 2026-08-25 / 編集: ペット防災室編集部(株式会社Mycat)。

このページは家庭内で情報を整理するための資料です。診断・治療の判断はできません。体調の変化があるときは動物病院に相談してください。避難の可否や方法は、お住まいの自治体および避難所の指示に従ってください。