災害時のペットの預け先は近距離と遠距離を1件ずつ

家が使えなくなった、入院した、避難先に連れて行けなかったなど、犬や猫を一時的に他人へ預ける場面の話です。ここでは、誰に頼むかを先に決め、頼むときに何を伝え、何を一緒に渡すかまでを扱います。

このページで決まること

  • 預け先の候補を4種類に分けた並べ方
  • 近距離と遠距離を1件ずつ確保する理由
  • 頼む前に伝える3点と、相手に確認する4点
  • 預けるときに動物と一緒に渡す物
  • 引き渡しと返却の記録に残す項目

預け先の候補を4種類に分ける

1種類目は同居していない家族や親族です。事情を説明する手間が少なく、費用の話もしやすい相手です。2種類目は友人や近隣の知人で、距離が近い分だけ動きが速い代わりに、相手の住居が動物を飼える条件かどうかを確認する必要があります。

3種類目はかかりつけの動物病院です。持病がある動物では第一候補になりますが、災害時は診療が優先されるため、預かりを受けられるかどうかは状況によります。平常時に一時預かりを行っているかどうかを聞いておくと、当日の判断が早くなります。

4種類目はペットホテルやペットシッターなどの事業者です。条件が明確で、必要な書類も事前に分かります。地域の獣医師会や自治体が災害時に一時預かりの案内を出すこともありますが、これは事前に予約できる種類のものではないため、候補としては最後に置きます。

一時預け先4種類の、強みと確認しておくこと
預け先 強み 確認・注意
同居していない家族・親族 事情説明の手間が少なく費用の話もしやすい 近距離だけだと同じ災害で相手も被災する
友人・近隣の知人 距離が近く動きが速い 住居が動物を飼える条件か確認する
かかりつけの動物病院 持病がある動物では第一候補になる 災害時は診療が優先。平常時に一時預かりの有無を聞く
ペットホテル・シッター等の事業者 条件が明確で必要書類が事前に分かる 災害時は事業者も被災し予約が確約とは限らない

近距離と遠距離を1件ずつ確保する

候補を近所だけで固めると、同じ災害で相手も被災します。相手の家が停電している、道路が使えない、相手自身が避難しているという状態では、預かりを頼めません。徒歩や短時間の移動で行ける近距離の候補と、別の地域にある遠距離の候補を、それぞれ1件は持っておきます。

近距離の候補は、数時間から数日の一時的な預かりに向きます。自分が病院に行く、家の片づけをする、避難所と家を往復するといった場面です。遠距離の候補は、家に戻れない期間が長くなったときに使います。移動手段が要るため、どうやって連れて行くかまで一緒に考えておきます。

遠距離の相手には、動物を届ける方法も相談しておきます。自分が連れて行くのか、相手が迎えに来られるのか、途中まで別の家族が運ぶのかで、頼める距離が変わります。ここを決めていないと、候補があっても使えません。

頼む前に伝える3点と、相手に確認する4点

伝えるのは3点です。どういう状況になったら頼むのか、期間はどのくらいを想定しているか、何頭を預けたいかです。この3つがないまま「もしものときはお願い」と言っても、相手は判断できません。期間は「数日」「1週間程度」「見通しが立つまで」のどれかで伝えると具体的になります。

確認するのも4点です。家族に動物のアレルギーがある人がいないか、先に飼っている動物がいるか、住んでいる建物で動物を飼えるか、日中に家を空ける時間が長くないかです。どれも当日に聞くと断りにくくなる内容なので、平常時に聞いておきます。

先住の動物がいる場合は、同じ部屋に置けるとは限りません。部屋を分けられるか、ケージを持ち込む必要があるかを聞いておくと、預けるときに持って行く物が決まります。相手の負担を減らすほど、実際に受けてもらえる可能性は上がります。

預けるときに動物と一緒に渡す物

渡すのは、ふだん食べているフードと、食器、トイレ用品、いつも使っている敷物やタオル、それに情報を書いた紙です。フードは、預ける期間として伝えた日数より少し多めに渡します。相手に買いに行かせると、種類が変わって食べないことがあります。

薬がある場合は、動物病院から受け取った状態のまま渡し、飲ませ方の指示もそのまま添えます。量や回数を自分で書き換えないでください。飲ませ方に不安がある場合は、預ける前にかかりつけの動物病院に相談し、相手に説明できる形にしてもらいます。

情報を書いた紙は、名前、種類、性別、年齢、体重、特徴、マイクロチップの有無、鑑札の番号、かかりつけの動物病院の名前と連絡先、食事の量と回数、苦手なもの、脱走したときに逃げ込みやすい場所を書きます。書く項目の詳細は、識別情報を扱ったページにまとめてあります。

キャリーは動物と一緒に渡します。移動に使ったあと、預け先でも落ち着ける場所として使えるためです。返してもらう前提の物と、渡し切りの物を分けて紙に書いておくと、返却のときに手間が減ります。名前を書いておくと、複数の家庭が同じ場所に預けた場合でも取り違えが起きにくくなります。

引き渡しと返却の記録に残す項目

記録するのは、預けた日時、相手の氏名と連絡先、預けた頭数と個体、一緒に渡した物、こちらの連絡先、連絡が取れないときの代わりの連絡先、返してもらう時期の目安です。これを2部作り、相手と自分が同じ紙を持ちます。

災害時は連絡手段が限られます。電話がつながらないことを前提に、別の連絡方法を2つ書いておきます。メッセージアプリ、電子メール、共通の知人の連絡先などです。何日も連絡が取れない場合に相手がどう動けばよいかも、渡すときに一言決めておくと、判断を相手に丸投げせずに済みます。

費用が発生する相手の場合は、金額の話を当日にしないで済むように、支払い方法と精算の時期だけでも先に言葉にしておきます。無償で頼む相手にも、期間が延びたときにどうするかは伝えておきます。フードや消耗品を相手が買い足した場合の扱いも、先に決めておくと後から気まずくなりません。

断られたときと、連絡がつかないときの次の手

候補に断られる理由の多くは、相手の住居の条件と、先住の動物との相性です。これは事前に確認していれば当日に分かることではないので、確認の段階で無理と分かった相手は候補から外し、別の候補を探します。候補は2件では足りず、3件目まで持っておくと動きやすくなります。

全部の候補と連絡が取れない場合は、預けることを一度あきらめて、自分と一緒にいられる方法へ切り替えます。避難所の受け入れ条件を確認する、車で待機する、在宅避難に切り替えるという選択肢が残ります。それぞれの判断はリンク先のページで扱っています。

このページで扱わないこと

自分が家に帰れないときに誰が家に入るか、鍵をどう預けるかは、家に入ってもらう話なので一人暮らしの家庭向けのページで扱います。薬をどこで手に入れるか、かかりつけが使えないときにどう動くかは、薬のページの範囲です。

頭数が多くて全頭を1か所に預けられない場合は、どの個体をどこへ分けるかという判断が別に必要になります。分散の考え方は多頭飼いのページにまとめてあります。このページは、預け先の相手を確保して渡すところまでを担当しています。

よくある質問

災害時にペットを預かってくれるところはありますか

平常時に約束できるのは、同居していない家族や親族、友人、かかりつけの動物病院、ペットホテルやシッターなどの事業者です。自治体や地域の獣医師会が災害時に一時預かりの案内を出すこともありますが、扱いは地域や状況によって違い、事前に予約できるものではありません。当日の案内に頼らず、個別に頼める相手を近距離と遠距離で1件ずつ確保しておいてください。

預け先にはフードを何日分渡せばいいですか

預ける期間として伝えた日数より多めに渡すのが基本です。相手に買いに行ってもらうと、種類が変わって食べないことがあります。療法食を食べている場合は、同じ物が手に入るとは限らないため、余裕を持たせてください。期間が延びそうなときに追加でどう届けるかも、渡すときに決めておきます。食事の内容を変える判断は、かかりつけの動物病院に相談してください。

ペットホテルに災害時の予約を先にしておけますか

扱いは事業者によって違います。平常時に確認しておくのは、受け入れの条件、必要な書類、ワクチンの証明が要るか、頭数や種類の制限、連絡方法です。災害時は事業者側も被災するため、予約が確約になるとは限りません。だからこそ、事業者だけを候補にせず、家族や知人の候補と組み合わせて持っておくほうが確実です。確認した内容と日付を書き残してください。

離れて暮らす家族に頼むとき、何を伝えておけばいいですか

どういう状況になったら頼むのか、期間はどのくらいか、何頭かの3点です。あわせて、動物をどうやって届けるかも相談します。自分が連れて行くのか、相手が来られるのかで、頼める距離が変わります。相手側の事情として、アレルギー、先住の動物、建物の飼育の可否、留守の時間も聞いておきます。決まったら、渡す物と連絡先を書いた紙を先に共有しておきます。

確認に使う一次情報

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最終更新: 2026-08-25 / 編集: ペット防災室編集部(株式会社Mycat)。

このページは家庭内で情報を整理するための資料です。診断・治療の判断はできません。体調の変化があるときは動物病院に相談してください。避難の可否や方法は、お住まいの自治体および避難所の指示に従ってください。