旅行中に災害が起きたら|出発前に決める判断と連絡
旅行や出張の不在は、日中の外出とは別のものです。数日のあいだに起きたことに対して、自分ではない誰かが判断を重ねていくことになります。ここでは、出発前に判断してよい人を1人決め、渡す紙を3枚に分け、預け先が被災した場合と自宅に置いて出た場合で頼む先を切り替えるところまでを決めます。
このページで決まること
- 数日の不在は、判断してよい人を1人だけ先に決める
- 出発前に渡す紙を世話・判断・連絡の3枚に分ける
- 預け先が被災した場合と自宅が被災した場合で頼む先を変える
- 連れ出してよい範囲と行き先を出発前に許可しておく
- 帰る/帰らないを、手段と受け入れ先の2つで決める
数日家を空ける不在で、最初に詰まるのは何ですか
日帰りの留守番であれば、誰かに家へ入ってもらえば片が付きます。数日の不在では、そのあいだに起きたことへ誰かが判断を重ねていくことになります。決めておかないと詰まるのは、判断してよい人が誰かという1点です。
「何かあったら連絡して」という約束は、連絡がつかない状況でいちばん役に立ちません。移動中で電話に出られない、時差のある場所にいる、通信が混み合っているといった条件が重なります。連絡を待たずに動いてよい範囲を、出発前に文字にしておきます。
判断してよい人は1人で足ります。頼れる人が複数いる場合でも、決めるのは1人にして、その人がほかの人へ声をかける形にします。複数の人が同時に別々の判断をすると、動物が二重に動かされることがあります。
出発前に渡す3枚
1枚目は世話の手順です。フードの量と回数、水の場所、トイレの掃除、薬がある場合はその名前と時間。ふだんやっていることをそのまま書きます。書いた人には当たり前でも、読む人にとっては初めての家です。
2枚目は判断の範囲です。連絡がつかないときに動いてよい範囲を、してよいこと、確認してからにしてほしいこと、しないでほしいことの3つに分けて書きます。ここが空欄だと、相手は何もできないか、逆に想定していないことをします。
3枚目は連絡の順番です。自分に連絡がつかない場合、次に誰へ連絡するか、その次は誰か。かかりつけの動物病院の名前と連絡先も同じ紙に入れます。3枚を別々の紙にしておくと、必要な人に必要な枚数だけ渡せます。
預け先に預けている場合、災害が起きたら誰が動きますか
ペットホテルやシッター、知人の家に預けている場合、動物は自分の家にいません。被災するのが預け先なのか、自分の家なのか、自分がいる旅先なのかで動く人が変わります。この3つを分けておくと、当日に考え直さずに済みます。
預け先が被災した場合、動物をどこへ移してよいかを事前に許可しておきます。系列の別の店舗、預け先の家族の家、こちらが指定した別の預け先。行き先の候補を1つ書いておくだけで、相手は動けるようになります。預け先そのものを確保する手順は、預け先のページにまとめてあります。
預けるときに渡した連絡先が、旅行中もつながるかどうかを確認しておきます。ふだんの番号が使えない場所へ行く場合は、その期間だけ別の連絡先を渡します。いつからいつまでその連絡先が有効かを紙に書き添えておくと確実です。
自宅に置いて出た場合、何が変わりますか
家に置いたまま数日空ける場合、要るのは通う人です。1日に何回来てもらうか、何時ごろかまで決めておきます。数日ぶんの水とフードを置いて出るという形は、停電や断水が重なったときに立て直せません。
通う人には、鍵と、3枚の紙と、家の中で困りやすい場所を伝えます。隠れやすい場所、開けてはいけない扉、脱走しやすい経路の3つです。玄関の内側に貼る紙の作り方は、留守番のページで扱っています。
自動給餌器や自動給水器を使っている場合は、停電したときにどうなるかを出発前に試しておきます。何日分をセットできるか、止まったあとに再開するかは製品で違います。機器に任せる分と、人に足してもらう分を分けて紙に書いておけば、通う人がその場で判断せずに済みます。
連れ出してよい範囲と行き先を先に決めておく
避難が必要になったとき、預かっている人や通っている人が最初に迷うのは、勝手に連れ出してよいのかという点です。連れ出してよい、という一文を紙に書いておくだけで、迷う時間がなくなります。
行き先の候補も書きます。近くの避難所、相手の自宅、こちらが指定した別の家。避難所へ動物を連れて行けるかどうかは地域や施設で違うため、こちらで断定はできません。候補を並べておき、当日は自治体や施設の案内に従ってもらう形にします。
連れ出すときに持っていってほしい物にも、優先順位を付けます。キャリー、リードやハーネス、フードと水、薬、情報を書いた紙。全部は持てないという前提で3つまでに絞っておくと、相手はその場で選べます。
帰るか帰らないかをどう決めますか
見るのは2つです。帰る手段があるか、帰った先で自分が動けるか。交通が止まっている、道路が使えないという状態で無理に移動しても、途中で足止めされる時間が長くなるだけです。移動できるかどうかは、自治体や交通機関が出す案内で判断します。
帰らないという選択も、あらかじめ用意しておきます。動物のそばに頼んだ人がいて、水とフードがあり、連絡が取れているのであれば、旅先にとどまって落ち着くのを待つほうが結果的に早いことがあります。この判断を当日に一人で背負わないよう、出発前に家族と話しておきます。
帰ると決めた場合は、着く見込みの時刻を相手に伝えます。それまでのあいだに誰が何をするかも、そのときに決め直します。相手を待たせたまま連絡が途切れるのが、いちばん動きにくい状態です。
帰ってきてから残す記録
帰宅したら、動物の様子、食べた量、水の減り、排泄、預け先や通う人が気付いたことを聞き取って書き残します。その場で聞かないと、細かいことは後から出てきません。
気になる変化があった場合、家庭で判断することはできません。留守中の記録をそのまま持って、かかりつけの動物病院へ相談してください。誰がいつ何をしたかが書いてあれば、伝えられることが増えます。
3枚の紙のうち、読みにくかった箇所と足りなかった箇所を相手に聞いて、その日のうちに直します。次の旅行の前ではなく、記憶があるうちに直すほうが早く終わります。渡した相手と渡した日付も一緒に残しておきます。
よくある質問
ペットホテルに預けている間に災害が起きたらどうなりますか
対応は事業者によって違います。平常時に確認しておくのは、災害時の連絡方法、動物を移す場合の行き先、こちらと連絡が取れないときにどこまで判断してよいかの3点です。確認した内容と日付を書き残しておいてください。当日に取り決めを作ることはできないため、預ける前の確認がそのまま備えになります。
旅行を切り上げて帰るべきですか
帰る手段があるかと、帰った先で自分が動けるかの2つで決めます。交通が止まっている状態で無理に移動すると、途中で足止めされて何もできない時間が長くなります。動物のそばに頼んだ人がいて、水とフードがあり、連絡が取れているのであれば、落ち着くのを待つ判断もあります。移動できるかどうかは自治体や交通機関の案内で確認してください。
シッターに合鍵を渡すのが不安です
渡す範囲は自分で決められます。鍵そのものを渡さず、管理会社を通す方法や、鍵を預かる箱を使う方法もあります。対応の可否は住まいや事業者によって違うため、事前に確認してください。渡す場合は、渡した日付と返してもらう時期、鍵で入ってよい条件を紙に書いて、双方が同じものを持ちます。
療法食や薬は何日分渡せばいいですか
旅行の日数より多めに渡すのが基本です。同じ物がすぐ手に入るとは限らず、途中で切らすと相手が動けなくなります。量や飲ませ方を自分で書き換えず、動物病院から受け取った状態のまま渡してください。日数の考え方に迷う場合は、出発前にかかりつけの動物病院へ相談しておくと、相手に説明できる形になります。
確認に使う一次情報
まだ迷うときは|無料ツールと相談
あわせて確認するページ
- 災害時のペットの預け先は近距離と遠距離を1件ずつ
- ペットの留守番中に災害が起きたら誰が家に入るか
- ペット防災カードと迷子札に書く情報の整え方
- ペットの療法食を防災で切らさない入手先と保管
- うちの子情報の備え(商品一覧)
最終更新: 2026-08-26 / 編集: ペット防災室編集部(株式会社Mycat)
このページは家庭内で情報を整理するための資料です。診断・治療の判断はできません。体調の変化があるときは動物病院に相談してください。避難の可否や方法は、お住まいの自治体および避難所の指示に従ってください。