散歩中に地震が起きたとき犬とどう動くか

防災の準備はふつう家の中を前提に組みますが、犬と暮らす家庭には、毎日かならず外にいる時間があります。散歩中に揺れが来ると、家に置いてある備えは1つも手元にありません。ここでは、その場でどう動くか、家へ戻るかどうか、散歩バッグに何を入れておくかの3つを決めます。

このページで決まること

  • 揺れているあいだに離れる場所と、リードの持ち直し方
  • 揺れが収まった直後に装着具と足の裏を見る順番
  • 家へ戻るか、そのまま避難先へ向かうかの決め方
  • 散歩バッグに入れる5つと、入れすぎない上限
  • 手を離してしまったときの最初の動き

散歩中は、家の備えが1つも手元にない

家に置いた備えは、家にいるときにしか使えません。犬と暮らしていると、朝と夕方に必ず外へ出る時間があり、その時間に何かが起きても、手元にあるのはリードと処理袋くらいです。散歩中の備えは、家の備えとは別に組む必要があります。

別に組むといっても、荷物を増やす話ではありません。増やせば持ち歩かなくなり、持ち歩かない物は備えになりません。決めるのは、その場でどう動くか、どこへ向かうか、散歩バッグに何を入れるかの3つで、このうち2つは物ではなく判断です。

判断のほうを先に決めると、荷物が減ります。戻る場所と向かう場所が決まっていれば、途中で要る物が絞れるためです。順番を逆にして用品から選ぶと、持ち歩けない大きさの袋になります。

揺れているあいだにすることは2つだけ

1つは、リードを短く持ち直すことです。持ち手のループを握っているだけだと、犬が走り出したときに手から抜けます。リードの根元に近い位置を手でつかみ、犬を自分の脚の横まで引き寄せます。小型犬なら、そのまま抱え上げるほうが早い場面もあります。

もう1つは、落ちてくる物と倒れてくる物から離れることです。塀、門柱、自動販売機、看板、電柱、窓のある壁際は、いずれも離れる対象になります。開けた場所が数歩の範囲にあるならそこへ移り、なければ建物から距離を取れる側へ寄ります。

揺れている最中に遠くまで走って移動するのは危険です。数歩で移れる範囲に離れる先がなければ、その場で犬を引き寄せて姿勢を低くするほうが安全な場合もあります。どちらにするかは、そのとき見えている物で決めることになります。

揺れが収まったら、装着具と足の裏を見る

最初に見るのは装着具です。強く引いた直後は、ハーネスの位置がずれていたり、バックルが半分外れていたりすることがあります。首輪が緩んでいないか、リードの金具が閉じているかを、その場で手で触って確かめます。ここを飛ばすと、歩き出してから抜けます。

次に足の裏です。割れたガラスや瓦の破片が落ちている場所を通った可能性があります。歩き方がいつもと違う、片足を上げる、地面のにおいを嗅がずに歩き続けるといった変化があれば、抱えるか、その場から動かさずに様子を見ます。傷や出血があるときは動物病院に相談してください。

迷子札が付いているかも、この時点で確かめます。散歩中に被災すると、そのまま家へ戻れない時間が長くなることがあります。はぐれたときに残るのは、体に付いている情報だけです。

家へ戻るか、そのまま避難先へ向かうか

決め手は3つです。家までの距離、家に残っている家族がいるか、いま立っている場所が安全か。このうち距離だけは平常時に決めておけます。散歩の経路ごとに、家から何分の地点かを把握しておくと、当日に測らずに済みます。

家へ戻る場合、玄関に持ち出し袋が置いてあることが前提になります。戻ってから中身を集める形だと、そこで時間を使います。散歩から帰った流れのまま家を出られる状態にしてあるかどうかが、ここで効いてきます。

戻らずに避難先へ向かう場合、手元にあるのは散歩バッグだけです。この状態で数時間過ごせるかを一度考えておいてください。足りない物が見えたら、それが散歩バッグに入れる候補になります。ただし全部は入りません。入れる物は次で絞ります。

散歩バッグに入れておく5つ

入れるのは、予備の首輪とリードを1組、処理袋を多めに、折りたためる水の器と少量の水、連絡先を書いたカード、小さなライトの5つです。この5つは、はぐれる、進めない、戻れないという3つの困り方に対応しています。

予備の首輪とリードは、主に使っている物と同じである必要はありません。予備の首輪に迷子札を付けたままにしておくと、当日に付け替える手間がなくなります。点検の仕方と置き場所の決め方は、リードとハーネスのページに分けてあります。

連絡先カードは、自分がしゃべれない状況でも読める形にしておきます。犬の名前、飼い主の名前と連絡先、かかりつけの動物病院を書いておけば、預かってくれる人が最初に必要とする情報はそろいます。書く項目の並べ方は、防災カードのページで扱っています。

入れる物はここまでにします。フードや薬まで入れると重くなり、毎日の散歩で持ち歩かなくなります。持ち歩ける重さは人によって違うので、1週間持って歩いてみて、重いと感じたら中身ではなく袋のほうを軽くしてください。

手を離してしまったときの最初の動き

走り出した犬を追いかけると、逃げる方向へ走らせることになります。まず立ち止まり、名前を呼ぶ声の大きさを、いつもの散歩と同じにします。大きな声は、揺れで興奮している犬をさらに走らせることがあります。

見失った場合、はぐれた地点から遠くへ移動しないでください。犬が戻ってくる先が、その場所であることがあります。誰かと一緒にいるなら、1人はその場に残ります。いつも通っている散歩の経路も、探す順番の上位に入ります。

探す時間が長くなるようなら、人に見せて探してもらう段階に切り替えます。そこで要るのは写真を貼った紙で、作り方は迷子ポスターのページにまとめてあります。散歩に持って出るスマートフォンに、正面と全身の写真が1枚ずつ入っているかを、今日のうちに確かめておいてください。

体格で変わる、その場の押さえ方

小型犬は抱え上げるのがいちばん速く、落ちてくる物からも守りやすくなります。ただし抱えた時点で手がふさがるので、リードは付けたまま、手首に一度巻いておきます。抱えたまま長い距離を歩けるかどうかは、平常時に一度試して確かめておきます。

中型犬は、抱えるか引き寄せるかがその場の状況で分かれます。引き寄せる場合、リードを短く持って自分の脚の横に置くと、周囲の人との距離も同時に取れます。歩道が狭い経路では、この形を取れる側に立つ癖を普段からつけておきます。

大型犬は、驚いたときに人のほうが動かされます。抱えることは想定せず、リードを短く持って塀や建物から離れる方向へ動く形になります。腰に固定するタイプのリードを使っている場合は、引かれたときに体勢を崩すので、手に持てる形へ持ち替えられるようにしておいてください。

散歩中に揺れが来たときの体格別のその場の押さえ方。どの体格でもリードは外さない。
体格 その場の対応 リードの扱い
小型犬 抱え上げて落下物から守る 付けたまま手首に一度巻く
中型犬 状況次第で抱えるか引き寄せる 短く持ち自分の脚の横に置く
大型犬 抱えず塀や建物から離れる方向へ動く 短く持てる形に持ち替える

よくある質問

散歩中に地震が来たら、犬を抱き上げたほうがいいですか

体格で変わります。小型犬は抱え上げるほうが速く、落ちてくる物からも守りやすくなります。中型犬はその場の状況次第で、抱えるか、リードを短く持って脚の横に引き寄せるかに分かれます。大型犬は抱える想定を最初から外し、短く持って塀や建物から離れる方向へ動きます。どの体格でも、抱えた場合もリードは外さないでください。

散歩中に被災したら家へ戻るべきですか

家までの距離、家に残っている家族がいるか、いま立っている場所が安全かの3つで決まります。このうち距離だけは平常時に決めておけるので、散歩の経路ごとに家から何分の地点かを把握しておいてください。戻ると決めるなら、玄関に持ち出し袋がある状態にしておかないと、戻ってから集める時間が必要になります。

散歩バッグには何を入れておけばいいですか

予備の首輪とリードを1組、処理袋を多めに、折りたためる水の器と少量の水、連絡先を書いたカード、小さなライトの5つを目安にします。これ以上入れると重くなり、毎日は持ち歩かなくなります。フードや薬まで入れようとせず、家に置く持ち出し袋との役割を分けてください。予備の首輪に迷子札を付けたままにしておくと、当日の付け替えがなくなります。

散歩中に犬が驚いて逃げてしまったらどうしますか

追いかけずに立ち止まり、いつもの散歩と同じ声の大きさで名前を呼びます。見失った場合は、はぐれた地点から遠くへ移動しないでください。戻ってくる先がその場所であることがあります。探す時間が長くなるようなら、写真を貼った紙を使って人に探してもらう段階に切り替えます。散歩に持って出るスマートフォンに、正面と全身の写真が1枚ずつ入っているかを先に確かめておいてください。

揺れているあいだ、犬を連れてどこへ移動すればいいですか

数歩で移れる範囲に開けた場所があるなら、そこへ移ります。塀、門柱、自動販売機、看板、電柱、窓のある壁際からは離れてください。離れる先が近くにない場合、揺れている最中に遠くまで走るより、その場で犬を引き寄せて姿勢を低くするほうが安全なこともあります。どちらを選ぶかは、そのとき見えている物で決まります。

確認に使う一次情報

この備えに使う防災用品

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最終更新: 2026-08-26 / 編集: ペット防災室編集部(株式会社Mycat)。

このページは家庭内で情報を整理するための資料です。診断・治療の判断はできません。体調の変化があるときは動物病院に相談してください。避難の可否や方法は、お住まいの自治体および避難所の指示に従ってください。