ペットの留守番中に災害が起きたら誰が家に入るか

犬猫だけが家にいる時間に地震や停電が起きたとき、最初に止まるのは物ではなく人の動きです。ここでは、誰が家に向かうか、連絡が取れないときにどう合図するか、入った人が何をするかという体制の側を決めます。

このページで決まること

  • 平日昼・平日夜・休日で家に向かう担当を指名する
  • 距離と徒歩時間を実測して担当を入れ替える
  • 何時間連絡がなければ動くかを数字で決める
  • 家に入った人が最初にする4つの手順
  • 玄関の内側に貼る情報と外に出さない情報

留守番中の被災で最初に困るのは何ですか

留守番中に被災したとき、飼い主の手元にあるのは情報だけです。家の中がどうなっているかは分からず、実際に動くのは自分ではない誰かになります。そこで詰まるのは、備蓄の量でも家具の固定でもなく、「誰が家に向かうか」が決まっていないことです。ここが空白のままだと、用意した物はどれも使われません。

家族が複数いる家庭でも、「近いほうが行く」という取り決めは実際には機能しません。全員が別々の場所にいて、全員が自分は遠いと判断するからです。決めるのは、時間帯ごとに担当を1人指名しておくことです。室内の安全化そのもの、つまりケージの固定や家具の転倒対策は、部屋の安全のページで扱っています。

留守番中に被災したときの状況別の確認と連絡
状況 確認・連絡でやること
平日昼・夜・休日 時間帯ごとに担当を1人指名する
連絡が取れない 何時間で動くかを数字で決める
家に入ったとき 安全確認→居場所→水と食事→写真
その日に帰れない 世話を続けるか預け先へ移す

誰が家に向かうかをどう決めますか

平日の昼、平日の夜、休日の3つに分けて、それぞれ誰が家にいちばん近いかを書き出します。感覚ではなく、勤務先や学校から自宅までの距離を地図で測ってください。交通機関が止まれば歩くことになります。徒歩の速度は時速4km前後という目安が防災の資料でよく使われます。12kmなら3時間という計算です。

距離を出すと、思っていた担当が入れ替わることがあります。いちばん近いのが家族ではなく、近所の知人や同じ建物の人だったという結果になる家庭もあります。その場合は、その人に平常時から話をしておくことが、この作業のいちばんの成果になります。頼む内容と、頼まない範囲もあわせて伝えておきます。

一人暮らしの場合は、家族の担当という考え方が使えません。合鍵を誰に預けるか、どの条件で入ってもらうか、預けられる相手がいないときにどうするかという決め方になるため、一人暮らしのページに分けてあります。そちらで相手を決めてから、この先の手順を渡す形にしてください。

共働きで、二人とも家から遠いときはどうしますか

共働きの家庭でこの表を作ると、平日の昼はどちらも家から遠い、という結論になることがあります。表の作り方が悪いのではなく、実際にそうだというだけです。ここで止めずに、家族以外の候補へ枠を1つ移してください。近所の知人、同じ建物の人、離れて暮らす家族、有料のサービスのいずれかが入ります。

もう1つ見るのは、二人の通勤経路が重なっていないかです。同じ路線、同じ方向、同じ橋を通る場合、交通が止まれば二人とも同時に帰れなくなります。経路が重なっているほど、家族以外の担当を用意する必要が高くなります。在宅勤務の日は担当が入れ替わるため、曜日で固定せず、その日にどちらが家に近いかが分かる印を共有の予定表に1つ入れておきます。

子どもの迎えがある家庭では、迎えと家に向かうことのどちらを先にするかを、あらかじめ決めておきます。当日に決めようとすると犬猫のほうが後回しになり、結局どちらにも間に合わないという形になりがちです。順番を先に決めておけば、後になる側にも別の人を割り当てられます。

連絡が取れないときはどうしますか

決めるのは、何時間連絡がなければ動いてもらうか、という数字です。「連絡がついたら行く」という決め方にすると、連絡がつかない状況でいちばん困ります。3時間なのか半日なのかは家庭の条件で変わりますが、数字にしておかないと相手も動けません。決めた数字は、担当する人全員に同じ形で伝えておきます。

連絡手段は複数用意します。電話はつながりにくくなることがあり、その場合はメッセージアプリのほうが届くことがあります。災害用伝言ダイヤル(171)や携帯電話各社の災害用伝言板は、公的に案内されている仕組みです。体験できる日が設けられているので、日程を確認して一度使っておいてください。使い方を当日に読むのは無理があります。

家族の間では、「無事」だけを送る短い定型文を決めておくと、通信が細いときに役立ちます。犬猫の状況を伝える定型文も同じように用意します。無事か、水と食事は足りているか、家の中は歩ける状態か。この3つが分かれば、次に動くかどうかを決められます。

家に入った人は最初に何をしますか

順番は4つです。まず建物と部屋の安全を見て、危ないと感じたら入らないこと。次に犬猫の居場所を確認すること。そのうえで水と食事を足すこと。最後に、写真を撮って飼い主へ送ることです。この順番を渡しておかないと、来てくれた人は何から手を付ければよいか分かりません。紙1枚にして、鍵と一緒に渡しておきます。

犬猫の居場所は、来た人がいちばん困る部分です。猫は家具の裏や押し入れの奥に入り、呼んでも出てきません。隠れやすい場所を3か所まで書いて、間取りの図に印を付けておきます。姿が見えないだけで無事なことがあるため、無理に引き出さないでほしいということも一緒に書いておいてください。

玄関や窓を開けたまま作業すると脱走が起きます。入るときと出るときに扉を閉める、犬猫を1部屋に入れてから作業する、という2行を依頼のメモに必ず入れます。来た人にとっては初めての家です。家の中の当たり前は伝わらないという前提で書いてください。

家の中に何を用意しておきますか

玄関の内側に、頭数、種類、名前、隠れやすい場所、フードと水の置き場所、かかりつけの動物病院、飼い主の連絡先を1枚にまとめて貼っておきます。外から見える場所には貼りません。家に動物がいることと不在であることを、外へ伝えることになるためです。何をどの順で書くかは、防災カードのページにまとめてあります。

水は1か所にまとめず、2か所以上に分けて置きます。1つが倒れてもすべてが失われないためです。器は倒れにくい形と重さのものを選びます。フードは、来た人がすぐ分かる場所に、1回分を計れる状態で置いておくと、量の間違いが減ります。薬がある場合は、置き場所と渡し方を同じ紙に書いておきます。

ケージに入れて出かけるか、部屋に放して出かけるかは家庭ごとに違います。どちらにするかを決めて、担当する人にも伝えておいてください。決めていないと、来た人がその場で判断することになります。判断を任せない形にしておくことが、依頼を引き受けやすくすることにもつながります。

その日のうちに帰れない場合はどうしますか

日をまたぐ見込みになったら、誰かに世話を続けてもらうのか、預け先へ移すのかを決めます。移す場合に要るのは、移す人、移す先、移動に使う容器の3つです。当日にこの3つを一から探すのは難しいので、預け先の候補だけでも平常時に書き出し、受け入れの条件を聞いておいてください。

電気が止まっている場合は、自動給餌器と自動給水器が動いていない可能性があります。止まったときの動作は機種で違い、復電後に設定が戻らないこともあります。平常時に一度コンセントを抜いて試しておいてください。停電した家の中で先に確認することは、停電のページにまとめてあります。

決めたことをどう確かめますか

年に1回、決めたことを実際に動かしてみます。担当の人に一度家へ来てもらう、依頼のメモを読んでもらって分かるかを聞く、伝言ダイヤルを体験利用日に試す。この3つだけでも、書いただけの計画との差がはっきり出ます。読んで分からなかった箇所は、その場で直します。

家族の勤務先や学校が変わると距離が変わり、担当も変わります。年度の変わり目に見直す日を決めておくと、更新が止まりません。引っ越し、頭数の変化、犬猫の年齢が上がったときも、同じタイミングで紙を書き直してください。

よくある質問

留守番中に地震が起きたら、まず何をすればいいですか

最初にするのは自分の安全の確保です。そのうえで、決めておいた担当へ連絡し、家に向かえるかどうかを確認します。無理に危険な経路で戻ろうとしないでください。移動できるかどうかは、自治体や交通機関、警察が出す案内で判断します。家の様子は、向かえる人に見てもらい、写真を送ってもらう形にすると、離れていても次の判断ができます。

ペットは何時間まで留守番できますか

一律の時間はお答えできません。年齢、持病の有無、季節、部屋の温度、水とフードの置き方によって変わります。うちの子の場合にどこまでなら大丈夫かは、健康診断や通院の際にかかりつけの動物病院へ相談してください。このページで決められるのは、留守番の時間が想定より延びた場合に、誰がどの条件で家に入るかという部分です。

玄関に「ペットがいます」と貼っておくべきですか

外から見える場所に貼ると、家に動物がいることと、いま不在であることを外に伝えることになります。防犯の面から、外向きの掲示は慎重に判断してください。家に入った人に伝えたい情報は、玄関の内側に貼るほうが目的に合います。自治体によっては救助や安否確認のためのステッカーを配布していることがあるので、扱いは自治体の案内を確認してください。

立ち入りが制限された地域に自宅がある場合はどうなりますか

自治体や警察が出す指示に従ってください。自己判断で立ち入ることはできません。取り残された動物の保護については、自治体の動物担当や動物愛護センターが窓口になることがありますが、対応は地域ごとに違います。平常時に窓口がどこかだけでも調べ、連絡先を紙で持っておくと、その場で探さずに済みます。飼っている動物の特徴が分かる写真も、同じ場所に用意しておいてください。

共働きで日中は家に誰もいません。何から決めればいいですか

買い足しよりも先に、平日の昼に家へ向かえる人を1人決めることです。二人とも遠い場合は、家族以外の候補へ頼むことになります。相手が決まってから、鍵の渡し方、連絡がつかないときに動いてもらう時刻、家に入った人に読んでもらう紙の順に進めてください。物をそろえるのはその後で間に合います。

確認に使う一次情報

この備えに使う防災用品

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最終更新: 2026-08-26 / 編集: ペット防災室編集部(株式会社Mycat)。

このページは家庭内で情報を整理するための資料です。診断・治療の判断はできません。体調の変化があるときは動物病院に相談してください。避難の可否や方法は、お住まいの自治体および避難所の指示に従ってください。