ペット防災の分担|家族と近所で決めること
犬猫の備えで最後まで空欄が残るのは、物の欄ではなく、誰がやるかの欄です。ここでは平常時の担当、家を出る日の担当、家族だけでは埋まらない部分の3つに分けて、名前を入れていきます。近所へ何をどこまで伝えるかも、同じ紙の中で決めます。
このページで決まること
- 平常時にやることを4つに割り、1つにつき1人だけ名前を入れる
- 誰が家にいても成立する当日の組み合わせを2通り用意する
- 分担表に書く5項目と、貼る場所を決める
- 近所に伝える3点と、伝えない3点を自分で線引きする
- 連絡がつかない場合に動き出す条件と、集まる場所を決めておく
リストの空欄は、物ではなく人のところに残る
備えのリストを埋めていくと、物の欄は順に埋まります。フードは買ってある、キャリーもある、シーツもある。それでも、当日にキャリーを持つのは誰か、戸締まりをするのは誰か、避難所へ電話をかけるのは誰かとなると、決まっていない家庭が多くあります。
決まっていないこと自体は珍しくありません。人の担当は、買えば済む物と違って、家族で一度話す時間を取らないと決まらないからです。逆に言えば、30分の話し合いで埋まる欄でもあります。買い足しより先に済ませておくほうが、結果に効きます。
このページで決めるのは、平常時の担当、家を出る日の担当、家族以外に頼む部分の3つです。決めるのは家族で、最後に紙へ書いて全員が同じ内容を見られる状態にするところまでを扱います。何をどれだけ持つかは、備蓄と持ち出しのページの範囲です。
平常時にやることを4つに割る
平常時にやることは、大きく4つに分かれます。備蓄を使いながら買い足すこと、自治体と避難先に確認すること、かかりつけの動物病院と薬の情報を持つこと、身元の表示と写真を新しくすること。この4つに、1つずつ名前を入れます。
全員の担当にすると、誰もやりません。1つにつき1人と決めて、その人が自分の使っているカレンダーに日を入れます。ただし、やった結果は家族に伝えます。担当が不在のときに他の人が引き継げるかどうかは、伝わっているかどうかで決まります。
家族が2人の家庭は2つずつ持ちます。1人の家庭は4つとも自分になりますが、それでも書き出す価値はあります。どれが手つかずかが見えるためです。頼れる相手を先に決めておく必要がある場合は、一人暮らしの防災を扱ったページを先に読んでください。
家を出る日の担当は、2通り書いておく
家を出る日の担当は、大人の手の数で決まります。片手がキャリーでふさがると、残るのは背中と、空いていればもう片方の手です。誰が犬猫を持ち、誰が荷物を持ち、誰が戸締まりをするかを、その日にいる人数に合わせて割り当てます。持ち出す順番そのものは、同行避難のページで扱っています。
ここで決めておきたいのは、全員がそろっていない場合です。平日の昼、平日の夜、休日で、家にいる人は変わります。誰がいても成立する組み合わせを2通り書いておけば、当日に相談する時間が要りません。
2通りのうち、人数が少ないほうを基準にします。少ない人数で回らないなら、そこが直す場所です。犬猫の頭数が運べる手の数を超えている場合は、荷物を減らしても解決しません。運搬の手段を変えるか、預ける先を決めるかという話に移ります。
分担表に書く5項目を決める
分担表に書くのは5つです。担当する人の名前、その人がやること、いつやるか、使う物がどこにあるか、その人が不在のときに代わる人。担当と代理の2人が並んでいる形にしておくと、当日に空欄が出ません。
紙は1枚にまとめて、玄関の内側に貼ります。冷蔵庫や部屋の壁ではなく玄関にするのは、出る直前に目に入る場所だからです。同じ物をもう1枚印刷して防災バッグに入れておくと、家の外でも見られます。
書き方は、家族以外が読んでも分かる粒度にします。「いつもの棚」ではなく「洗面所の棚の下段」と書きます。預け先や世話を頼む相手へ渡す紙と同じ書き方になるので、防災カードのページにある項目の並べ方がそのまま使えます。
家族だけでは埋まらない欄を先に書き出す
分担表を書くと、埋まらない欄が残ります。全員が家にいない時間帯、犬猫の頭数が運べる数を超える場合、階段を使って運ぶ必要がある場合の3つが多くあります。この欄は、家族の中では解決しません。
埋まらないまま放置せず、「ここは家の外に頼む」と書き込みます。書いておくと、誰に頼むかを探す作業が具体的になります。留守番中に誰が家へ向かうかは留守番のページ、預ける相手の決め方は預け先のページで扱っています。
頼む相手を探すのは時間がかかります。1件目で断られることもあります。空欄が残っている期間を短くしたいなら、相手を探す作業そのものも誰かの担当にしておくのが確実です。担当がいない作業は、後回しになります。
近所に伝える3点と、伝えない3点
近所に伝えておくと働くのは3点です。犬猫を飼っていること、その種類と頭数、そして不在のときに異変があったら連絡してほしいということ。この3点は、災害の当日ではなく、日ごろの挨拶の中で伝わっているほうが確実です。
伝えない範囲も自分で決めます。生活の時間帯、家の間取り、留守にする曜日は、伝えなくても上の3点は成立します。連絡先を渡す相手も、こちらで選びます。渡さないという判断も、同じように自分で選べます。
集合住宅では管理会社や管理組合が間に立ちますが、戸建てではその相手がいません。伝える相手を自分で選ぶ形になるため、まずは隣接している家か、自治会や町内会の役をしている人のどちらかから始めると、範囲を広げすぎずに済みます。
頼む内容と、頼まない範囲を先に言う
頼む内容は、具体的で短時間に終わることに絞ります。異変があったら連絡してほしい、玄関の外から様子を見てほしい、あたりが現実的です。家に入って世話をしてもらうところまで頼むなら、鍵の受け渡しと手順を渡す話になり、性質が変わります。
頼まない範囲も、同じときに伝えます。体調の判断はお願いしません、連れ出しはお願いしません、と先に言っておくと、相手は引き受けやすくなります。頼まれる側にとって、どこまでやればよいか分からない依頼がいちばん重くなります。
頼む側だけになると関係は続きません。相手にも同じことを頼まれる前提で話すと、対等な形になります。相手が動物を飼っていない場合でも、家を空けるときに郵便受けを見る、といった返せることはあります。
| 区分 | 近所に伝える・頼む | 近所に伝えない・頼まない |
|---|---|---|
| 飼育の情報 | 犬猫を飼っていること・種類と頭数・異変時に連絡してほしいこと | 生活の時間帯・家の間取り・留守にする曜日 |
| 頼む内容 | 異変があったら連絡・玄関の外から様子を見る | 体調の判断・犬猫の連れ出し |
連絡がつかない前提で決めておく3つ
災害の直後は、電話がつながらないことがあります。つながらない場合にどう動くかを、先に決めておきます。決めるのは3つです。何時間連絡がなければ動き始めるか、どこに集まるか、伝言をどこへ残すか。
集まる場所は、家と、家以外の1か所を決めます。家が使えない場合があるためです。伝言は、家の中の決まった場所に紙で残す形にしておくと、通信が使えなくても届きます。書く内容は、いつ、誰が、どこへ、犬猫を連れているかどうかの4つで足ります。
連絡の手段は複数持ちます。電話、メッセージ、災害用の伝言サービスのうちどれが使えるかは、当日まで分かりません。使い方を家族で一度試しておけば、当日に説明を読む時間が要りません。試した日を分担表に書き足しておくと、次にいつ試すかが決まります。
年に1回、声に出して読み合わせる
分担表は、書いた時点では全員が同じ内容を理解しているつもりでも、半年経つとずれます。年に1回、紙を出して上から順に声に出して読みます。読むだけで、認識が違っている箇所が見つかります。
読み合わせる日は、備え全体の見直しと同じ日にします。思い出す回数を増やさないほうが続きます。子どもがいる家庭では、子どもにも読んでもらいます。読めない漢字があれば、そこが書き直す場所です。
変わりやすいのは、勤務先と学校、連絡先、そして犬猫の体重と体格の4つです。この4つが変わっていないかだけを見れば、多くの場合は足ります。変わっていたら、その行だけを書き直します。全部を作り直さないほうが続きます。
よくある質問
家族でペットの防災の分担を決めるとき、何から決めればいいですか
平常時の担当から決めます。備蓄を使いながら買い足す、自治体と避難先に確認する、かかりつけの動物病院と薬の情報を持つ、身元の表示と写真を新しくするの4つに、1つずつ名前を入れてください。全員の担当にすると誰もやらないため、1つにつき1人に絞ります。家を出る日の担当は、平常時の担当が決まったあとに、その日にいる人数に合わせて割り当てます。
一人暮らしでも分担表を書く意味はありますか
あります。4つの担当が全部自分になるだけで、どれが手つかずかは同じように見えます。埋まらない欄が出たときに、それが家の外に頼む部分だとはっきりするのが、書く目的です。頼れる相手の決め方、合鍵の預け方、どの条件で動いてもらうかは、一人暮らしの防災を扱ったページにまとめてあります。
近所にペットを飼っていることを伝えるとき、どこまで話せばいいですか
犬猫を飼っていること、その種類と頭数、そして不在のときに異変があったら連絡してほしいこと。この3点までで足ります。生活の時間帯、家の間取り、留守にする曜日までは必要ありません。連絡先を渡すかどうか、誰に渡すかも自分で決めてかまいません。伝える範囲を先に決めておくと、毎回どこまで話すか考えずに済みます。
分担を決めても家族が覚えていません
覚えてもらう形ではなく、読める形にしておきます。分担表を1枚にして玄関の内側に貼り、出る直前に目に入るようにしてください。そのうえで、年に1回、上から順に声に出して読み合わせます。読み合わせで詰まった行が、書き方を直す場所です。備え全体の見直しと同じ日に寄せると、思い出す回数が増えません。
確認に使う一次情報
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- ペットとの同行避難の準備は家を出るまでの分担で決まる
- ペットの留守番中に災害が起きたら誰が家に入るか
- 災害時のペットの預け先は近距離と遠距離を1件ずつ
- 一人暮らしで猫を飼う人の防災は合鍵から決める
- ペット防災カードの書き方|読む人の順に項目を並べる
- 旅行中に災害が起きたら|出発前に決める判断と連絡
- うちの子情報の備え(商品一覧)
最終更新: 2026-08-26 / 編集: ペット防災室編集部(株式会社Mycat)。
このページは家庭内で情報を整理するための資料です。診断・治療の判断はできません。体調の変化があるときは動物病院に相談してください。避難の可否や方法は、お住まいの自治体および避難所の指示に従ってください。